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日本とユダヤのハーモニー 第2部 〜日本語のルーツ

第3章
〜よいしょ!どっこいしょ!は神を求めるヘブライ語の祈り

 外国語に由来しながら、日本語と同様に日常的に使われるようになった言葉を『外来語』と言います。これらの外来語の中には古代日本の文化形成にユダヤ人が深く関わっていたことを立証するかのごとく、ヘブライ語のルーツが潜む言葉が多数あります。特に宗教的儀式、祭り行事に関わる言葉や囃子言葉、和歌や俳句等の詩の中にヘブライ語の影響を強く受けている言葉が多数あるようです。今回は「どっこいしょ」、「よいしょ」という、日本人なら誰もが知っている言葉を例に挙げて検証してみましょう。

 「どけ!」という言葉は日常の会話で時折耳にする一般的な言葉ですが、その派生語である「どける」は、邪魔な物を動かすという意味で使われる、「退(の)ける」が転じて「どける」になったと言われています。しかしこれだけの説明では何故「のける」が「どける」に転じたかという説明に疑問が残ります。

 ヘブライ語では「拒絶する」または「退ける」ことを(dokheh)と言います。この単語の発音は厳密には「どへっ」となりますが、Hの発音は喉を詰まらせて息を吐き出しながら発声する為、英語の表記からもわかるとおり、実際には「ドケッ」と聞こえます。発音と言葉の意味が日本語の「どけ」とほぼ同じであるだけに、この語源はヘブライ語にある可能性が高いと考えられます。この「ドケ」の語尾が変化すると(dokhek)となり、発音は殆ど同じながら「押す」という意味になります。実はが「どっこいしょ」のルーツを解明する手がかりとなるのです。この誰もが聴き慣れた日本語は、力を入れたり、相手をさえぎって止める時に発する掛け声ですが、その言葉の語源を調べてみると、例え日本語の意味が不明であっても、そこにヘブライ語のルーツを見出すだけで価値観が一変します。

 さて、ヘブライ語で(yeshooah)「イェシュア」は「神の救い」を意味します。この言葉から「救い」に関連した類義語が多数生まれ、世界各地で使われるようになりました。例えばイエス・キリストのことを、新約聖書の原語であるギリシャ語では「イエスー」、アジア各地においては「イサ」と称するようになったのも、「イェシュア」にルーツがあります。また日本語の医者も「癒す人」の意で、正に「イェシュ」が「イシャ」に転化したものなのです。すると、ヘブライ語の「ドケ」に神の救いを意味する「イェシュ」という言葉を付け加えると「ドケイシュ」となり、「神の御力で押す」という意味になります。すなわち「どっこいしょ」とはヘブライ語の「ドケイシュ」が訛った言葉であり、力を込めて押し、相手を倒す時に、神の助けを求めて叫ぶ、祈りの言葉だったと考えられます。

 「どっこいしょ」と同様に「よいしょ」にも神の救いを叫び求める意図が隠されています。「や」は神様の呼び名であり、「イェシュ」、「イシュ」は前述の通り「救い」を意味するため、「ヤイシュ」とは「神の救い」の意味になります。それが何度となく叫ばれているうちに「よいしょ」に転化したと考えられます。すなわち「よいしょ」と掛け声をかけることも、神の救いを求める祈りの言葉だったのです。

 このようにして私たちは知らぬうちにヘブライ語を日本語として使っていることがあります。例え今日ではその語源が不透明であっても、いつの間にか神の救いを求める言葉を語っているように、ヘブライ語は長い年月を経て、日本語のルーツの一部として培われてきたと言えるのです。


(文・中島尚彦)
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