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日本とユダヤのハーモニー 第2部 〜日本語のルーツ

第20章
仮名文字のルーツ
〜まとめの章

 「仮名文字は漢字に由来する」という定説を根本的に覆す新説として、平仮名や片仮名はヘブライ語のアルファベットを基に創作された日本固有の文字であることをこれまで解説してきました。無論、既存の定説が全て間違っているという訳ではありません。例えば幾つかの片仮名が漢字の一部を流用して創作されたという定説は疑う余地がないのです。しかし全ての平仮名と片仮名を任意の漢字と結び付け、これらが漢字から創られたと決定づけるにはどうも無理があるようです。平仮名を例にとれば、漢字をくずして創作されたと言われている割には、それらの字形が似つかないものが多すぎます。ところが面白いことに、漢字説では上手く説明できなかった仮名文字は全て、ヘブライ語のアルファベットを使って整然と解明することができるのです。

 ヘブライ語ルーツ説が正しいと思われる根拠は、まず漢字よりもヘブライ語のアルファベットをベースに創作した文字形状の方が仮名文字に酷似しているということです。例えば「あ」「い」「う」「え」「お」の成り立ちは、明瞭にヘブライ語から解説することができても、漢字ルーツ説では飛躍した解釈をしなければ漢字の字形と仮名文字がうまく結びつきません。ヘブライ語ルーツ説では、一定の創作ルールに基づいて、同一の発音を持つアルファベットから新しく仮名文字が形作られたと想定するだけで良いのです。その一例として、ヘブライ語のアインとアレフという子音と「あ」の発音を持つ母音を重ねるだけで平仮名の「あ」そのものになることに着眼するだけでも、ヘブライ語ルーツ説に魅力を感じないではいられなくなります。
 またヘブライ語ルーツ説では、仮名文字と同じ発音を持つ特定のヘブライ語アルファベットから平仮名を創作しているのに対して、漢字ルーツ説では、数多くある類似した発音を持つ漢字の中から何故、特定の漢字が選ばれ、それが仮名文字の原型となったのかを説明することができません。すなわち漢字の選別方法が不透明であり、説明のしようがないのです。この問題点を払拭するのがヘブライ語ルーツ説です。仮名文字がまずヘブライ語から創作され、その字形と類似した漢字が後に選別されたと想定するのです。「あ」を例にあげるならば、まず同じ「あ」の発音に関連するヘブライ語の子音と母音を一定のルールに基づいて組み合わせながら「あ」の字形を完成させ、その後、同等の発音を持つ漢字の中からこの形状に類似した漢字を選別するのです。

 では、ヘブライ語がベースとなって仮名文字が形作られたとするならば、何故、漢字ルーツ説が広まってしまったのでしょうか。これは単なる検証の誤認というよりもむしろ、創作者による意図的な世論操作であった可能性が高いと考えられます。すなわち仮名文字を創作した人物の意向によって、ヘブライ語ルーツを隠蔽することが当初より仕組まれていたと考えられるのです。確かに隠蔽論的な発想は学問的に受け入れ難く、一般的にも何かこじつけのような印象を与えがちです。しかし、仮名文字が創作されたと考えられる平安時代では、貴族の間で言葉の遊びとも言える枕詞や折句が流行し、表向きな文面とは裏腹に、作者の真意を折句として詩の中に隠すような手腕が競われていました。その時代背景の中で「いろは歌」や、後述する囃子詞、古来の民謡等、多くの古代文献の中に、表面的には簡単に悟られない形で、ヘブライ関連のメッセージが上手に秘められたのです。同様に、仮名文字の形状においても、表面的には漢字がルーツのように見せかけて、実はヘブライ語がルーツであったことが上手に隠蔽されたと考えられます。仮名文字だけでなく、様々な古代文献にも秘められているヘブライ語ルーツを一つずつ解明していくことにより、如何にヘブライ文化が日本の古代史に息吹いているかを知る決め手となります。

 また、これ程まで分かりやすく解説できるヘブライ語ルーツ説が今日まで解明されなかった理由としては、まず仮名文字のルーツは中国にあるという先入観から、誰もが漢字ルーツを疑問視しなくなったということが挙げられます。とりあえず仮名文字に類似した漢字はおよそ見出せる訳ですから、その定説を否定するには及ばなかったのです。次に、日本にはヘブライ語を理解する学者が少なく、ヘブライ語と仮名文字の接点を見出すチャンスに巡り合えなかったことが考えられます。それもそのはずです。前述した通り、仮名文化の創作者は、そのヘブライルーツが見破られないようにその存在を隠蔽し、あたかもそれが漢字をルーツにしているかのごとく掏りかえたからです。その結果、長い年月の間、誰もが隠蔽策に惑わされてヘブライ語のルーツを見出す手がかりを失ってしまったのです。
 そして仮名文字のルーツがヘブライ語であるという事がこれまで解明できなかった最大の理由は、「いろは歌」の作者が弘法大師であることを近代の学者が否定してしまったことにあります。何故ここで突然「いろは歌」が話題に上るのでしょうか?それは「いろは歌」が仮名文字の集大成であり、昔から仮名文字と同様に「いろは歌」も弘法大師が創作したと言い伝えられているだけでなく、この「いろは歌」こそ折句の宝庫であり、そこには作者の宗教心がちりばめられているのです。その宗教とはヘブライ語ルーツを持つキリスト教です。すなわち、昔からの言い伝えをそのまま受け入れていれば、大陸でキリスト教とヘブライ語を学んだ弘法大師がヘブライ語を基本として仮名文字を創作したと考えても何ら不思議ではありません。そして大師がその後、「いろは歌」にキリスト信仰の折句を秘め、それを世間に流布したと考えれば、様々な謎が解けてきます。

 弘法大師が自らの信仰心に従って、高貴な日本文化を創生する為に、ヘブライ語を用いて新しく仮名文字を創作することに労したと想像するのは難しくありません。当時、日本には古代からのアヒル文字や大陸から導入された漢字以外は文字らしい文字がなく、神国である大和の国、日本にふさわしい高貴な自国の文字を作らなくてはならないという強い使命感に燃えたのでしょう。そこで中国留学時にネストリウス派のキリスト神学に触れ、聖書の言語であるヘブライ語で得た知識と経験を活かし、自身が持つ天性の語学力を奮ってヘブライ語のアルファベットから日本語の仮名文字を草案したのです。ところが大師のキリスト信仰は、当時国家権力と密接な関係にあった仏教勢力とは相容れないものがあり、政治的な争いにも巻き込まれる危険性があったはずです。それ故、仮名文字のヘブライ語ルーツ隠蔽を目論み、わざわざ漢字を選んでそれに掏りかえたのです。そして仮名文字の集大成となるべく「いろは歌」を書き、その中に折句として大師の信仰告白を盛り込み、それを普及しらしめたのです。これこそ言語学の天才、弘法大師ならではの離れ業といえます。昔からの言い伝えは間違っていませんでした。弘法大師が仮名文字を創作し、そして「いろは歌」を書かれたのです。今一度、史実を再確認した上で、古代史を見直す必要があります。

 


(文・中島尚彦)
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